2014年8月2日土曜日

タムラサトル《真夏の遊園地》@栃木県立美術館

約4ヶ月振りとなるブログ更新です。(更新ペースが遅くてスミマセン。)

先日、ディレクターの松尾と一緒に栃木県立美術館にて現在開催中のタムラサトル展《真夏の遊園地》を観に行ってきました!






















今回は東京在住の作家、加藤智大さんと新藤杏子さんのお二人も同行。

































入口ではタムラさんが何とも言えない表情で出迎えてくれます。


会場に入って、すぐ目に飛び込んで来るのはタムラさんの初期作品にあたる『プロペラの推進力で後退する熊』の作品。














この「熊」と「プロペラ」という全く脈略の無い組み合わせ、十数分おきに凄まじい轟音立てながら後退を繰り返すという、とてつもないインパクト。














こちらは『Weight Sculptures』シリーズ。
モチーフとして使用される金属製の彫刻やプラモデルは全て既製品というレディメイド作品。
それらに精巧な加工を施す(穴を空けてくり抜いたり、分銅をのせるなど)ことで、作家が予め設定した重量になるよう操作し、一定の重さを表示するだけのモノへと作り替えてしまうというコンセプチュアルな作品。













向かいの展示空間には、このシリーズにおける1つの”オチ”とも言える映像作品『100g Man』が巨大スクリーンで映し出されています。映っている男性はタムラさんご本人。


この他にも、今年の1月にTEZUKAYAMA GALLERYでの個展でも発表した『愛マシーン』や新作の『大、中、小マシーン』、豪快な音を立てながら回転する”接点”が取り付けられた『Point of Contact』の作品など、見所満載の展示内容。











































僕はタムラさんの作品を美術館で鑑賞するのは今回初めてだったのですが、またギャラリー空間で展示するのとは違った発見やスケール感で作品を楽しむ事が出来ました。

今回の展覧会タイトルにもなっている《真夏の遊園地》という、それこそ美術ファンだけでなく、若い人からお年寄りまでが視覚的に楽しめる「動く」「光る」「測る」「大きい」といった”分かりやすさ”や”親しみやすさ”がタムラさんの作品の魅力の1つである事を、この展覧会を通して改めて感じれたのと同時に、ユーモアかつ鋭い視点から”既存の価値観・意味に対する疑い”や”そもそも美術とはいったい何か”というシンプルだけど、とても難解な問いを投げ掛けられている様にも感じられました。















こちらの展覧会は栃木県立美術館で9月23日(火・祝)まで開催中です◎
是非とも会期中にご高覧頂ければと思います。

また、今回の展覧会開催に合わせて、今年の1月に弊ギャラリーで開催したタムラサトル個展『愛マシーン』の最終日に行った”タムラサトル × 國府 理 アーティストトークの模様を一部割愛した内容ではありますが、アップ致しました。

多くの美術関係者、美術ファンに惜しまれながら、今年4月にこの世を去られた現代美術家の國府 理さん(享年 44歳)を当時ゲストスピーカーとしてお迎えし、行われたこちらのトークショー。















両作家の作品に纏わる裏話や、同じ”機械”を表現媒体とするようになったキッカケから制作における相違点について語って頂いた、今となっては大変貴重な映像資料です。

宜しければ、是非ご覧下さい。






そしてそして...

TEZUKAYAMA GALLERYでは8月、9月も展覧会を予定しております。

お盆休み明けの8月23日からは、今年で4回目の開催となるワンピース倶楽部関西支部企画展『はじめてかもしれない展 vol.4』がスタート致します。

関西在住のコレクターの方々がこの1年間で購入された作品をそれぞれに展示し、他の方のコレクションと共に一堂に会する非常に面白い企画です。


9月8日からは、今や世界的に再評価を高めている1960年代末〜70年代中期まで続いた日本現代美術の大きな動向”もの派”の中心人物である李 禹煥(リ・ウーファン)と菅 木志雄の版画作品を中心とした弊ギャラリーコレクション展を開催致します。


ぜひ、こちらも会期中にご高覧頂ければと思います。