2014年4月4日金曜日

アートフェア” NEW CITY ART FAIR NY ”を終えて


お久しぶりです。岡田です。
気が付けば、外はすっかり桜が満開です。
日中に観る桜も好きですが、夜桜が僕は好きです。
オススメのスポットがありましたら、ご来廊された際に教えて頂けると嬉しいです。



さてさて、前回は先輩スタッフの内田がロンドンでのARTフェア『ART 14』についてのレポートを書いていたので、今回、僕はニューヨークで開催された『NEW CITY ART FAIR NY』についてレポートしたいと思います。(今回は写真が多くなりそうです。)


今回のNY出張では、TEZUKAYAMA GALLERYは同時期に2つのARTフェアに出展してきました。
1つはSOHOというエリアで開催されていた『VOLTA NY』というフェアで、タムラサトルさんのソロで出展。
こちらのARTフェアの担当はロンドンでのフェアを終えてから、そのままNYに入ったディレクターの松尾とアシスタントディレクターの内田、そして作家のタムラさんが。

そして、今回レポートするもう1つのARTフェア『NEW CITY ART FAIR NY』を僕とRuthの2人が担当させて貰える事になり、ニューヨークへ向かいました。
(僕は初ニューヨーク。。。!)
















会場となったhpgrp GALLERY NYは、川沿いに面した”CHELSEA”というエリアに位置し、このエリア一帯だけで400軒以上ものARTギャラリーが建ち並ぶ、世界的なARTの発信地です。

























今回、このフェアには主催をされているhpgrp GALLERY NY、hpgrp GALLERY TOKYOをはじめとした計10軒の日本のギャラリーが参加しました。(一部ご紹介。)

hpgrp GALLERY NY(New York) 篠原有司男さんの作品



Gallery 点(金沢) 河野迪夫さんの作品など







SAKURADO FINE ARTS(東京) 草間彌生さん、具体、アンフォルメル













GALLERY KOGURE(東京) 山本タカトさん、杉山卓朗さんの作品など
















































今年で3回目の出展となるテヅカヤマからは築山有城さん、大江慶之さん、同時期に『VOLTA NY』にも出展していたタムラサトルさん。そして、ニューヨーク在住の岩田小龍さんを加えた4名のアーティストを紹介して来ました。















築山有城”究無-Cube-”





















マテリアルが持つポテンシャルに目を向け、隠れた側面を引き出し”作品”へと昇華させるアーティスト、築山有城さん。
築山さんの作品は今回初めてNew Yorkのフェアで紹介しましたが、初見で作品に用いられている素材に気付かれる方は殆どおらず、こちらから説明すると驚かれていたのが印象的でした。



大江慶之”Flower Head #02”





















大江慶之さんの作品は昨年も1点ご紹介しましたが、今回はこちらの"Flower Head #02"と" 持ち主"という作品の2点を紹介してきました。
精巧な造りの裏に様々な感情や思いを忍ばせる大江さんの作品はNYのお客様からの反応も良く、作品について事細かに質問されてくる方が多かった様に感じました。



タムラサトル”Point of contactシリーズ” 





















タムラサトルさんの作品はお客様の反応が一番ストレートに返って来て、かなり受けが良かったという印象。
今回、SOHOで同時期に開催されていた『VOLTA NY』にも出展していた為、両方のフェアを観て回って下さったお客様も多かったです。
クールな作品のビジュアルとクレバーかつシンプルなコンセプトも、ニューヨークのARTファンの心をガッチリと掴んでいた印象。
また、他の出展作品と比べても、作品自体に動きや変化といった要素を多く含むタムラさんの作品は、会場内でも一際注目を集めていた様に感じます。


岩田小龍”広告や新聞などのイメージをモチーフにしたペインティング”

















岩田小龍さんは今回のフェアに向けて、新たに制作されていたペインティングを出展して頂きました。
鮮やかな色彩と独特の画面の作り方に興味を持たれているお客様が多かったです。
特に今回紹介した作品はどれもモチーフのセレクトがユニークで、作品のコンセプトについて聞いて来られる方も多かったです。



初日のレセプションパーティーでは会場にお越し下さった現地のお客様に日本酒を振る舞うという”おもてなし”を。












































レセプションパーティーには身動きが取れなくなる程、沢山のお客様がお越し下さり、現地のARTファンの日本のコンテンポラリーアートに対する関心の高さをヒシヒシと感じました。
また、日頃からARTに触れる習慣があるからなのか作品について鋭い質問をされる方、お客様同士で作品の感想を言い合ったり、良い作品に対してはストレートな反応を示される方が多い様に思いました。

会場ではNY在住のアーティストによるパフォーマンスが行われたり、TOMIO KOYAMA GALLERYからソロで出展されていた三宅信太郎さんのLIVEドローイングが行われたりと終始賑やかな雰囲気でした。



















フェア自体の会期は4日間でしたが、搬入〜搬出を含めニューヨークに滞在したこの一週間は本当に刺激的で、新たな目標が見えた掛け替えの無い時間だったと思います。
僕個人としては手応えよりも課題や修正点の方が多く、ここで得た経験をしっかりと噛み砕いて、次にどう繋げていくかを考えながら、今後のTEZUKAYAMA GALLERYでの仕事に活かせる様にしたいです。





















今回のフェアに関わって下さったhpgrp GALLERY TOKYOの戸塚さん、山本さんをはじめ、現地でサポートをして下さったスタッフの皆さん、出展されていたギャラリーの方々、出展にご協力を頂いた4名の作家さん(岩田さんは搬入、搬出も最後まで手伝って下さり、本当に色々な面で助けて頂きました。)、そして、この様な経験をさせてくれたディレクターの松尾と先輩スタッフの内田、Ruthにも感謝をしております。ありがとうございましたー!






話は変わって、告知を少々。
現在TEZUKAYAMA GALLERYでは小池一馬 個展『NEUTRAL PALM SQUAREを開催しております。
本展覧会は作家自身、初の大阪での個展となります。これまで東京、香港を中心として作品を精力的に発表してきた小池さんですが、今回の大阪での個展も初日から多くの方にご来廊頂き、ご好評頂いております。
会期もまだまだありますので、まだご覧になられていらっしゃらない方は是非、この機会にご高覧頂ければと思います。

また、こちらの展覧会のレポートも追ってこちらにアップさせて頂きます。



























小池 一馬 個展『NEUTRAL PALM SQUARE』
期間:2014年3月28日(金) - 4月26日(土)
休廊日:日、月
時間:11:00-19:00 

http://tezukayama-g.com/exhibitions-current/


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この度テヅカヤマギャラリーでは、小池一馬による個展「Neutral Palm Square」を開催する運びとなりました。これまで東京や香港などで個展での発表をしてまいりましたが、大阪では初となります。

1980年生れの小池は、幼少のころから両親の仕事の関係でアルゼンチンやスペインなど海外での生活を送ってきました。その影響もあってか、小池の着眼は我々が海外のアーティストに対して受ける印象と何か通じるものがあります。容易に理解しがたいようにも見えますが、難解というよりも観る者の想像力を掻き立て、誰もがあたかも自分の夢の中で見たような、あるいはどこかで読んだ本の中のストーリーにあったようなごく身近いものにも感じながら画面を読み解くことが出来ます。しかしその先にある小池の意図を読み取ろうとすると、これまた想像力を要する。それ故に興味がさらに深まる。

近年、小池はペインティング、水彩、彫刻などの自身の作品を、壺や水の入ったペットボトルなど既存のモノと一緒に空間に配置する方法で発表を行っています。既存のモノと作品を同等にモノとして扱い、それらを慎重に配置することによって、空間に無数の見えない線を張りたいと小池は言います。

今展覧会はこれまで以上に"モノとモノの関係"を意識した展示をめざし、それによって空間に生み出される緊張感や繋がりが、鑑賞者の想像力を刺激することでしょう。



作家制作メモ
「例えばちょっと南国へ旅行に行くとする。
ホテルでチェックインをすませ、荷物を部屋に置いて、地図も持たずに夕食まで散歩に出かける。
心地良い風が、南国らしい植物を揺らしている。ぷらぷらと歩いていると、椰子の木がある広場でウェイトリフティングをする男、英雄らしき男のポスター、何か信仰の対象らしき社などが目の前を通り過ぎて行く。

ふと、道路を挟んだ向こう側に見える樹の上に咲いている花が目に飛び込んでくる。“あの花はあの樹が咲かせている花なのか?それとも寄生している植物の花なのか?”という疑問が頭をよぎる。今自分が立っているところからは、ぼんやりして確認できない。しかし、道路を渡って確認することなく、そのままホテルへ戻る。」



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